ラマダーン
ラマダーン
お祝いの月がやってきた!
ラマダーンのあいだ、イスラーム教徒の人たちは、お日さまが出てから沈むまで、食べたり飲んだりするのをがまんします。身も心もきよめて、神さまのことを考えるのです。日が沈んでからは、毎晩がごちそうと楽しい集まりでいっぱいです。そんな楽しいラマダーンの始まりから終りまでを描いたお話です。
文/ファーティマ・シャラフェッディーン
ファーティマ・シャラフェッディーンはレバノンの子ども・児童向け本の作家・翻訳家。オハイオ州立大学で、教育理論と実践の修士号と現代アラビア文学の修士号を取得している。彼女はいくつもの出版社から160冊以上の本を執筆、出版しており、その多くは様々な言語に翻訳されている。常にアラブとヨーロッパを行き来し、ブックフェア、ツアー、ワークショップに参加している。彼女は多くの受賞歴があり、最新では、国際アンデルセン賞のショートリスト選出、児童向け小説“Faten”でイタリアのGramsci award受賞などがある。2016年には、“Lisanak Hisanak”(Kalimat publishers)でボローニャ・ラガッツィ賞のニューホライズン賞を受賞、2017年には、“Cappuccino”でイッティサーラート児童文学賞のYA賞を受賞している。また、彼女はアストリッド・リンドグレーン記念文学賞に7度ノミネートされており、最後のノミネートは2023年である。
絵/エストレリータ・カラコル
ブエノスアイレス生まれ、在住。ブエノスアイレス大学でグラフィックデザインを学ぶ。独学でもイラストを勉強するうちに、ますますイラストに愛着を覚えた。彼女のイラストは書籍、雑誌、教科書に掲載されており、2013年には、第4回イベロアメリカ・イラスト・カタログ入選、グアダラハラ国際ブックフェアのイラストレーターラウンジにも展示された。現在は、彼女は独立し、デザイナー兼イラストレーターとして働いており、コラージュとイラストのワークショップを開催している。
訳/片桐早織(かたぎりさおり)
アラビア語・トルコ語・ペルシア語翻訳家。元アラブイスラーム学院図書室司書。日本西アジア考古学会、日本昔話学会、JBBY(日本児童図書評議会)会員。手作り紙芝居ユニット、 アルドゥル・キッサ主宰。主に中東と日本の昔話を翻訳。紙芝居はアラビア語と日本語の両方で演じ、お話を双方向に紹介する活動を行っている。邦訳絵本に『おばあちゃんのむかし話―イラクの港町バスラに伝わる10のお話―』『ギルガメシュ叙事詩―永遠の叙事詩のための現代語り―』(共にドルガーム・アル=アジュワディ著 藍ユーフラテス出版)などがある。